- 配偶者ビザの申請をしたいのに手元に結婚証明書がない
- 大使館や領事館に結婚証明書が発行できないと言われた
- 結婚証明書がない場合の「補足説明書」の書き方を知りたい
こういった疑問に答えます。
配偶者ビザの申請では、必要書類として外国人の母国で発行される結婚証明書が必要となります。
ただ、状況によっては結婚証明書が用意できない場合があります。
この場合、「補足説明書」という書類を作成し、代わりに入管へ提出します。
本記事では、結婚証明書が用意できず困っている方に向けて神奈川県の申請取次行政書士が結婚証明書がない場合の対処法をわかりやすく解説します。
一読いただければ、結婚証明書がなくても配偶者ビザの申請をスムーズに行うことができるようになりますので、ご安心ください。
配偶者ビザの申請で必要な結婚証明書とは?
まず前提として、配偶者ビザの申請では日本人と外国人それぞれの婚姻の証明が必要となります。
具体的には、以下の書類でそれぞれの婚姻関係が正式であることを証明します。
- 日本人の結婚証明:戸籍謄本(全部事項証明書)
- 外国人の結婚証明:母国で発行される結婚証明書
上記2つは、配偶者ビザ申請時の必要書類としてリストアップされています。
通常の結婚証明書の取得方法
結婚証明書取得の大まかな流れは以下の通りです。
- 日本国内の市区町村役場で婚姻届を出す
- 日本国内にある外国の大使館や領事館へ婚姻したことを通知
- 外国の大使館や領事館から結婚証明書を発行してもらう
ただし、場合によっては結婚証明書が発行できないケースや、配偶者ビザの申請時に手元にないケースがあります。
なお、結婚証明書については国によって取り扱いが様々ですので、「現在の状況で結婚証明書が取得できるかできないか」まずはこちらから各国の大使館や領事館へお問い合わせしてみてください。
配偶者ビザの申請時に結婚証明書がないケース
大使館や領事館へ問い合わせた結果、配偶者ビザの申請時までに結婚証明書を用意できない場合はどうすればよいのでしょうか。
以下のケースごとにご説明します。
- 結婚証明書が提出できないケース①:日本で婚姻届けを出したから
- 結婚証明書が提出できないケース②:別の国で結婚の手続きをしたから
- 結婚証明書が提出できないケース③:結婚証明書の発行が1回しかできないから
- 結婚証明書が提出できないケース④:結婚証明書の発行に時間がかかるから
- 結婚証明書が提出できないケース⑤:外国人の離婚手続きが完了していないから
結婚証明書が提出できないケース①:日本で婚姻届けを出したから
次の国は、日本で先に婚姻の手続きを行うと結婚証明書が発行されません。
- アメリカ
- カナダ
- 中国
- ウズベキスタン等
この場合、「結婚証明書に関する補足説明書」を作成し、その中で先に日本で婚姻の手続きを行ってしまったため、結婚証明書が発行できない旨を説明します。
結婚証明書が提出できないケース②:別の国で結婚の手続きをしたから
日本や外国人の母国以外の国に居住しており、そこで結婚の手続きをした場合、外国人の母国では結婚証明書が発行できないケースがあります。
その場合も、「結婚証明書に関する補足説明書」で、事情と提出できない理由を記載した上で、居住国で発行される「結婚を証明することができる書類」とともに提出します。
結婚証明書が提出できないケース③:結婚証明書の発行が1回しかできないから
結婚証明書の発行が1回しかできない国が存在します。
代表的なのが「タイ」です。
このような国を母国とする場合、既に別の手続きで日本の市区町村役場等に結婚証明書の原本を提出してしまい、手元にないことがあります。
その場合は、婚姻届を出した市区町村役場に「婚姻届記載事項証明書」という書類を発行してもらい、「結婚証明書に関する補足説明書」とともに提出します。
※ この方法が使えるのは結婚証明書の発行が1回しかできない国のみです。
結婚証明書が提出できないケース④:結婚証明書の発行に時間がかかるから
国によっては、結婚証明書の発行に何ヶ月もかかる場合があります。
その場合、在留期限までに発行が間に合わない可能性もでてきます。
こういったケースでは、既に発行手続きを済ましている旨、発行までに時間がかかる旨を「結婚証明書に関する補足説明書」に記載し、結婚証明書の発行手続きを行ったことを証明する書類(受領証等)があれば添付します。
結婚証明書が提出できないケース⑤:外国人の離婚手続きが完了していないから
外国人の離婚手続きが完了していない場合、結婚証明書が発行できないケースがあります。
例えば、フィリピンは離婚が認められていません。そのため、一方の離婚手続きは終わっていても、もう一方の離婚手続きが完了していないケースがあります。
その場合は、一方の離婚手続きが完了していることを証明することで、配偶者ビザの手続きを進めることができます。
具体的には、以下の方法で外国人の前の配偶者の離婚を証明します。
- 外国人の前の配偶者が日本人:その方の戸籍謄本(全部事項証明書)を添付
- 外国人の前の配偶者が外国人:その方の離婚証明書やその他離婚を証明できる書類を添付
この場合も、上記の証明とともに「結婚証明書に関する補足説明書」を添付します。
配偶者ビザの申請で結婚証明書がない場合はどうするか?補足説明書を添付しよう
事情により、配偶者ビザの申請で結婚証明書がない場合は「結婚証明書に関する補足説明書」を作成して、日本人の戸籍謄本(全部事項証明書)とともに入管へ提出します。
なお、「結婚証明書に関する補足説明書」以外にも外国人の結婚を証明することができる資料があれば一緒に提出するとより強固な証明となります。
結婚証明書の代用としての補足説明書の書き方
結婚証明書の代用としての補足説明書の書き方をご説明します。
用意するのはA4用紙で次の事項を記載します。
- 宛先:「法務大臣 殿」
- タイトル:「結婚証明書に関する補足説明書」
- 結婚証明書がない理由:結婚証明書が提出できない理由や大使館や領事館等の回答を記載
- 戸籍謄本のみを添付する旨:「よって、結婚証明として配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)のみを添付しています。」
- 作成日:「令和●●年●●月●●日」
- 住所:作成者の住所を記載
- 氏名:手書きで作成者の氏名を記入
書類作成のポイントとしては、担当官に「結婚証明書を提出できない理由」を理解してもらうことです。
そのため、状況や理由を論理的に説明できるよう心がけてください。
「結婚証明書に関する補足説明書」のテンプレート・ひな形
とはいっても、ゼロから「結婚証明書に関する補足説明書」を作成するのは大変なので、Word形式でテンプレート・ひな形をご用意しました。
▼ 以下ダウンロードしてお使いください。
※ なお、「結婚証明書に関する補足説明書」作成についての個別のご質問は有料となります。
配偶者ビザの申請で結婚証明書がない場合の補足説明書の作成は行政書士にご相談ください
以上、配偶者ビザの申請で結婚証明書がない場合の対処法を解説しました。
ビザの申請は、担当官を説得する文章の作成とそれを裏付ける資料の収集が必要となってきます。
特に、配偶者ビザとなると、偽装結婚でないことをいかに証明するかが鍵となります。
ただ必要書類を集めたからといって許可がもらえないことがあるのが、ビザ申請の難しいところです。
ビザ取得はこれからの人生を左右する大切なものですので、もし、一度不許可になってしまった場合や書類作成でお困りの際は、専門の行政書士に相談することをおすすめします。
弊事務所では国際業務を専門としており、国際結婚に強い申請取次行政書士が丁寧に対応いたします。
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