不動産現場でよく聞く地番について、以下のような疑問に答えます。
- 地番って何?
- 法務局で「住所ではなく地番を記載してください。」って言われた。
- 地番の調べ方を教えて!
結論、地番と住所は異なるものです。
本記事では、宅建士資格を有した神奈川県の行政書士が地番とはどういうものなのか、そしてどうやったら調べられるのかをわかりやすく解説します。
本記事を参考にすると、地番と住所の違いや、簡単に調べられる方法を知ることができます。
どうぞご覧ください。
土地を表す地番とは何か?
地番とは一言でいうと、土地を特定するために割り振られた番号のこと。
例えば、このように表します。
「▲▲区■■○丁目○○番●●」
この○○と●●の部分に数字が入り、●●を枝番と言います。
この例でいくと、
- 「▲▲区■■○丁目」を所在
- 「○○番●●」を地番
とされます。
ところで、これって何かに似ていませんか?
そうです。
住所と似ていますよね。
では、地番と住所は一緒と考えて良いのでしょうか?
地番と住所は違うのか?
答えは「地番と住所は異なるものですが、番号が一致する地区もある」です。
簡単に言うとイメージはこんな感じ。
- 地番と住所が一致しない:住居表示実施地区
- 地番と住所が一致:住居表示を実施していない地区
順に解説します。
地番と住所が一致しない:住居表示実施地区
住居表示実施地区では地番と住所が一致しません。
住居表示とは?
簡単に言うと、住居表示とは郵便物を届けやすくするために「住居表示に関する法律」により定められた住所の表し方です。
で、どこがその実施地区かと言うと比較的都会の地域。
実施地区の家には住所が書かれた青いプレートが貼られています。
そのような住居表示実施地区では、地番と住所が一致しません。
地番と住所が一致:住居表示を実施していない地区
一方で、住居表示を実施していない地区では地番と住所が一致することがあります。
ただし、これもケースバイケースで一致しないケースもあるため、基本地番と住所は異なるものだと思ってください。
なお、どのように地番が決まるのか気になる方はこちらの記事をご覧ください。
地番が必要な場所
住所は郵便物を出す時に必要。
では、地番はどのような時に必要なるのでしょうか?
答えは簡単です。
「土地や建物など不動産に関わる書類を提出するとき。」などです。
具体的には、
- 土地や建物の登記簿謄本取得時
- 境界立会書類の署名捺印時
- 納税関係書類の記載時
などがあります。
順に説明します。
土地や建物の登記簿謄本取得時
法務局で土地や建物の登記簿謄本を取得する際に、申請書に記入するのは地番です。
間違えて住居表示を記載してしまうと受け付けてもらえませんので気をつけてください。
土地、建物の登記簿謄本の取得方法はこちらの記事をご覧ください。
境界立会書類の署名捺印時
官民境界(道路等)や民間どうしの境界線の立会では、確認後「境界確認書」という書類を作成して署名捺印しあいます。
この際に記載するのは地番です。
官民境界についてはこちらの記事をご覧ください。
納税関係書類の記載時
あとは、税務署等に提出する不動産の納税関係の書類も地番を表記します。
地番の調べ方
地番の調べ方は複数通りあります。
- 納税通知書等の書類で調べる
- 管轄の法務局に電話で聞く
- 法務局のブルーマップで調べる
- インターネットの地番検索サービスで調べる
ざっと上げるとこんな感じ。
納税通知書等の書類で調べる
土地の所有者であれば毎年届く納税通知書を参考にするのが一番手っ取り早いです。
もし、複数人で土地を所有しているなど、共有名義の場合は誰か一人代表者宛に納税通知書が届きます。
管轄の法務局に電話で聞く
管轄する法務局に電話で聞くのも手軽で確実な方法。
調べたい土地の法務局に電話するのとで、住所から地番を教えてくれます。
ただし何度も電話するのは気が引けますね。
法務局のブルーマップで調べる
もし、管轄の法務局が最寄りにあるなら、行って調べるのも手です。
法務局には必ずブルーマップという地番が記載された住宅地図が完備されています。
自由に閲覧が可能なため、ブルーマップを見て地番を突き止めることができます。
インターネットの地番検索サービスで調べる
もし、インターネットを使って無料で地番を調べたいなら、登記情報提供サービスの地番検索サービスを使う方法があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
地番は土地の背番号みたいなもの:まとめ
今回、地番がどういうものなのか解説しました。
地番と住所は厳密には違うものですが、住居表示を実施していない地区では同じ場合もある。でした。
そして、地番は同じ所在では重複することがありません。
つまり、地番は「土地の背番号」みたいなものだと言えます。