- 留学ビザから配偶者ビザへ変更したい
- 外国人留学生と国際結婚して留学生のビザを配偶者ビザへ変更したい
このような疑問に答えます。
本記事では、現在日本滞在中の外国人留学生が、日本人との結婚で留学ビザから配偶者ビザへ変更する方法や注意点を国際業務専門の行政書士がわかりやすく解説しています。
一読いただければ、誰でも簡単に留学ビザから配偶者ビザへ変更する場合の全体像を理解できると思いますので、どうぞご覧ください。
留学ビザから配偶者ビザへ変更したい
まず、そもそも「留学ビザから配偶者ビザへ変更したいけど、在学中でも可能なのか?」と疑問をお持ちかと思います。
これについては、在学中でも問題なく留学ビザから配偶者ビザへの変更は可能です。そして、配偶者ビザへ変更したあとでも、引き続き同じ学校に通学することが可能です。
しかも、配偶者ビザへ変更することで、次でご紹介する様々なメリットがあります。
留学ビザから配偶者ビザへ変更するメリット
留学ビザから配偶者ビザへ変更するメリットは大きく分けて次の2点です。
- 就労制限がなくなる
- 永住ビザや帰化の申請がしやすくなる
就労制限がなくなる
まず、就労制限がなくなるというのが配偶者ビザへ変更する1つ目のメリットです。
留学ビザでアルバイトをする場合、「資格外活動許可」で仕事をする必要があり、その場合、就労時間や業種に次のような制限が課されています。
- 就労時間:平常時 週28時間まで・長期休暇時 1日8時間(週40時間)まで
- 業種の制限:スナック、キャバクラ、パチンコ屋、ゲームセンター等ではアルバイトができない
一方、配偶者ビザは特に就労制限がないため、上記の制限を超えて仕事に就きながら通学を続けることができます。
永住ビザや帰化の申請がしやすくなる
また、留学ビザから配偶者ビザへ変更することで永住ビザや帰化(日本人になること)の申請がしやすくなるのもメリットの1つです。
例えば、通常、永住ビザの申請は5年~10年間日本で住む期間を経て、申請することになります。
一方、配偶者ビザであれば、最短3年で永住ビザの申請ができます。
今後、「一生日本で暮らしたい」と考えるなら、これは非常に大きなメリットとなります。
留学ビザから配偶者ビザへ変更する手続き
では、留学ビザから配偶者ビザへ変更するにはどのような手続きが必要となるのか、ここからは、具体的に留学ビザから配偶者ビザへ変更する手続きについて解説していきます。
まず、大まかな手順を確認したあと、必要書類についてチェックしてみてください。
※ 後述する注意点に引っかかってしまうと申請できない場合がありますのでご注意ください。
留学ビザから配偶者ビザへ変更する手順
留学ビザから配偶者ビザへの変更は次の流れで行います。
- 必要書類の収集
- 出入国在留管理局(入管)へ申請
- ハガキで審査結果の通知
- 入管へ在留カードを受け取りに出向く
1. 必要書類の収集
まずは、 後ほどご案内する必要書類の収集を行います。
2. 出入国在留管理庁へ申請
すべての書類が揃ったら、出入国在留管理庁へ申請を行います。
3. ハガキで審査結果の通知
通常1ヶ月ほどで審査結果がハガキで通知されます。なお、混んでいる場合は2~3ヶ月かかる場合もあります。
4. 入管へ在留カードを受け取りに出向く
入管へ出向き、配偶者ビザの記載のある在留カードを受け取って完了です。
留学ビザから配偶者ビザへ変更する場合の必要書類
留学ビザから配偶者ビザへ変更する場合の最低限必要な書類は以下の通りです。
- 在留資格変更許可申請書 1通
- 証明写真 1通
- 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
- 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書 1通
- 日本での滞在費用を証明する資料
- 配偶者(日本人)の身元保証書 1通
- 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通
- 質問書 1通
- 夫婦間の交流が確認できる資料
- パスポート 提示
- 在留カード 提示
詳しくは、出入国在留管理庁の公式サイトをご覧いただければと思いますが、上記は最低限必要な書類のリストです。
これ以外に状況によっては追加での書類が必要な場合があります。
留学ビザから配偶者ビザへ変更する際の注意点
ここからは、留学ビザから配偶者ビザへ変更する際の注意点をご説明します。
一言で言えば、在留状況が不良と判断されると、不許可の確率が高まりますので注意が必要です。
具体的には次のような状況は非常に危ないです。
- 成績が良くない
- 授業の出席率が悪い
- 退学や休学をしてしまっている
- 制限時間を超えてアルバイトをしてしまった
- 就労を禁止されている業種でアルバイトをしてしまっている
以下、詳しく見ていきましょう。
成績が良くない
卒業見込みがあるかどうかや留年しないかどうかというのは、入管職員が許可不許可を判断するのに重要なポイントとなります。
というのも、「卒業ができない → 留学ビザがなくなってしまう → でも日本には滞在したい → そうだ、誰でもいいからとりあえず結婚して配偶者ビザを手に入れよう」という偽装結婚の状態を気にするからです。
そのため、成績不良で卒業できそうにない場合、不許可になる確率が高まります。
この場合、どのように成績をあげるかなど具体的な案を書類にして入管職員に説明する必要があります。
授業の出席率が悪い
授業の出席率が悪いというのも要注意です。
こちらも成績が悪いのと同じく出席率が悪いと卒業できない可能性が高くなるため不許可の可能性が高まります。
判断基準は出席率80%以上と言われています。
出席率70%程度だとギリギリかなという状況です。
もし、出席率80%を下回る場合は、「体調不良だった」など、合理的な理由の説明が必要となります。
なお、「アルバイトで忙しかった」などは合理的な理由になりませんのでご注意ください。
退学や休学をしてしまっている
既に退学や休学をしてしまっている 場合、不許可の確率が非常に高いです。
そもそも、学校に行っていない状態では、留学ビザで日本に滞在することができないため、3ヶ月以内に帰国する必要があります。
この状態で、配偶者ビザへの変更申請をしても不許可になる確率が高いため、一度帰国してから仕切り直しをして再度配偶者ビザの取得申請をする必要があります。
制限時間を超えてアルバイトをしてしまった
制限時間を超えてアルバイトをしてしまった場合、不許可になります。
以下の時間を超えて就労することはそもそも入管法違反(不法就労)にあたるので許可がおりることはありません。
- 平常時:週28時間まで
- 長期休暇時:1日8時間(週40時間)まで
もし、これに該当する場合は、一度帰国するなどの対処が必要です。
就労を禁止されている業種でアルバイトをしてしまっている
資格外活動として禁止されている業種でアルバイトをしてしまっている場合も入管法違反(不法就労)に該当するため、不許可になります。
具体的には、「風営法」で規定されている以下のお店でのアルバイトが該当します。
- スナック
- キャバクラ
- パチンコ屋
- ゲームセンター等
この場合も、一度帰国するなどの対処が必要です。
留学ビザから配偶者ビザへ変更できるか不安な場合は行政書士へご相談を
留学ビザから配偶者ビザへ変更できるか不安な場合は専門家である行政書士へのご相談を強くおすすめします。
本来、留学ビザは勉強をするために日本に滞在することを条件としているため、本業である勉強をおろそかにしている場合「学校には行きたくないけど、日本に住みたいから偽装でもなんでも結婚して、配偶者ビザを取ろうとしているのでは?」と入管職員は疑います。
これをいかにして払拭するかが許可を取得するためのポイントとなります。
それには、上記の必要書類以外に交際の状況を詳しく説明したり、マイナスポイントを緩和させるための書類作成を個別に行う必要があります。
市役所の窓口と違い、どのような書類をつくれば良いか入管職員はいちいち教えてくれません。
例えば、出会ってから結婚までの期間が数週間しかないなどのケースでは偽装結婚を疑われやすいため、偽装結婚ではないことを証明する資料作りが必要となります。
必要書類をそろえても、許可がもらえない場合があるのがビザ取得で難しいところです。
行政書士は入管職員が懸念する「偽装結婚でないのか?」「生活できるだけの資金があるのか?」等について、合理的な書類を作成するプロです。
留学ビザから配偶者ビザへの変更でお困りの際はぜひ、国際業務を専門としている弊事務所へご相談ください。